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塵も積もれば山となる。

どんなに微々たるものであっても、それが積もりに積もれば山のようになる。というそのままの意味だが、このことわざは大変有名であるため誰しもが必ず一度は聞いたことがあるのではないかと思う。

僕も小さい頃に母親から少しずつでもいいから貯金をしておけと、コツコツ貯めればいつかは大金になるからと、口を酸っぱくして言われたものだ。

他にも、夏休みの宿題を毎日1ページずつすることだったり、毎日一冊ずつ本を読んだり、コンビニ弁当のゴミを片付けなかったりと、数え切れないほどの例えが存在する。

まあやはりどんな言葉もそうであるのと同じように、これも良い意味で使われることもあれば悪い意味で使われることもあります。前述で述べた夏休みの宿題の話なんかは、僕は逆のパターンで塵を積もらせてたクチ、夏休み最終日になるとそれこそ本当に山を見上げるような気持ちで宿題の山を眺めてました。今からこの宿題の山を登るのか…という絶望感、まるでセルゲームをヤムチャ一人で乗り切らなきゃいけない、くらいの絶望感ですよ。誰でも諦めますよそんなもん。

このように自分にとって負担になるものを何も手を付けずに放置しておくと、ホント大変なことになります。ヤムチャ大変なことになります。

小学生の頃、僕のクラスの担任は厳しくて常に眉間に皺を寄せている中谷先生っておばさんだったんですけど、一体この人は毎日毎日何をそんなに怒ってるんだろうか、ってくらい常に怒ってるようなおばさんだったんですよ。30過ぎてまだ結婚できてないことが原因か?と子供心ながらに思ってました。

こっちとしては中谷先生が結婚しようがすごいマニアックなセックスしようがケモノのようなファックをカマそうが興味はないんですけど、そのイライラを子供であった僕たちで晴らしてた節があったからタチが悪い、いくらなんでも八つ当たりが過ぎます。自分の婚期が遅れ私生活が上手くいってないストレスを僕らで晴らそうとしてるとしか思えません。それってただの八つ当たり、そんなメンタルだからダメなんだよ的なことを言って一人で憤ってました。

しかも何故か僕のことをかなり毛嫌いしているらしく、何かあるごとに僕に責任を押し付けたり、面倒なことをさせたり、何故か僕だけ給食のおかわり禁止したり、今思い出してもムカムカしてきた。あの売れ残りババアいつかぶちのめす。

と、それくらい毛嫌いされてましてね、そこまでされると逆に清々しくて「よろしい、ならば戦争だ」とか先生に聞こえないようにボソボソ言って士気を高める毎日でした。

まあ、昔居残りさせられて教室に一人、あまりに暇だった僕は机の上に立ち上がって「婚期を逃した中谷~♪30さ~い♪」とサザエさんのBGMに合わせて、それはそれはもうノリノリで、バブル時代もかくやと思わせるテンションで薄暗い教室を一人延々と歌っているところを中谷に見られたことがあって、それくらいから僕へのいやがらせが酷くなった気もしないこともないんですが、それにしても八つ当たりが酷すぎる。自分が婚期逃したんじゃないか。

とにかくそんな先生だったんです。

で、そんな中谷先生は今でこそ考えられないかもしれないけど、給食を残すことを絶対に許さない先生で、もし残そうもんなら放課後まで居残りさせて食べらせる、食べ終えるまで帰さない。ってタイプだったんですよ。

今のご時世そんな蛮行を敢行したら訴えられてもおかしくないレベルですよ。「ウチのたかしちゃんに何するザマス!キィーッ!」「そうザマス!」「ザマスザマス!」とか言ってモンスターなんだかペアレントなんだかよく分らないですけど、義務教育からやり直してみては如何?と勧めたくなるようなやつらが学校に乗り込んで来てもおかしくないレベル。たかし君泣いてますよ。恥ずかしさのあまり泣いちゃってますからね。次の日から「たかしちゃ~ん(笑)」って友達から呼ばれるようになって不登校になるんですけど、そんなこととはつゆ知らず泣いてますよ。ガチ泣きですよ。ガチ泣き。

まあそんな来年から公務員になるたかし君のことはどうでもよくて、当時僕の隣に座っていた池田君って子がいたんですよ。

池田君はまあいわゆるもやしっ子でして、嫌いな食べ物が多すぎて中谷先生が担任になるまで給食を完食したことが無い、という逸話を持っているやつでした。そんな池田君が放課後まで給食を食べることになってしまうのは自然の流れで、池田君毎日毎日放課後までかかって泣きながら給食を食べてました。

今思い返しても本当に酷いやつだ中谷、僕も帰りの会が終わった後「俺今から帰るけど池田君は給食食べれないと帰れないね(笑)」と池田君をバカにしたら池田君泣きだしちゃって、中谷にボロクソ怒られたこともあったの思い出した。ほんととんでもないやつだ中谷。自分が婚期逃したんじゃないか。

でもまあそんなことを続けていく内に、池田君も僕の叱咤激励のおかげで成長したのか給食を完食できるようになりましてね、放課後までかかることもなくなってきたんですよ。

お~やるじゃん池田君、頑張ったね池田君、とかは全く思わなかったんですけど、「そういや池田君最近放課後いないなー」くらいにしか思ってなかったんですけど、池田君は一人で立派に成長していました。

でも、やっぱり苦手なものはあるらしく池田君どうしてもグリンピースだけは食べれなかったっぽいんですよ。久しぶりに放課後まで残って給食を食べてる池田君を見かけたんですけど、目の前のお盆の上にはサイバイマンの種みたいな物体がコロコロ転がっていました。その時の種が後にヤムチャを巻き込んだ自爆テロを敢行するんですけど、それはまた別のお話。嘘ですけど。

グリンピースは僕も嫌いで、グリンピースが出てきた時の給食の時間は「すわ!拷問か何かか?」とか思うんですけど、あれ一カ月に一回は出てくるじゃないですか。全然需要ないくせにまるで自分は生理だと言わんばかりにふんぞり返ってるじゃないですか。女の子って一カ月に一回機嫌が悪い日がありますけど僕も一カ月に一回機嫌が悪い日ありましたからね。「今日グリンピースの日なの…///」とか言ってましたからね。

それで僕がサイバイ…じゃなかったグリンピースと睨めっこしていると、目の前で池田君も同じようにグリンピースと睨みあいをやってました。ほら、よく達人同士のやり合いは目を合わせた瞬間から始まっているんだ、みたいなことがあるじゃないですか。その時の池田君の姿も正しく歴戦の戦士のそれ、僕の目には何も映らなかったですが、おそらく池田君とサイバイマンの中では巧妙な心理戦が始まっていたんだと思います。そして池田君の中で勝負が決まったんでしょうね。池田君涙目になってた。

なんとか僕もグリンピースとの死合いを終え、お盆を片して席に戻ると池田君も戦いが終わったらしく清々しい顔でお盆を片づけていました。

おぉ、池田君勝ったのか。これで放課後まで居残りしなくて済むんだな。頑張ったね池田君。なんてことは露ほども思わなかったんですけど、昼休みの遊ぶポジション取りのこと考えてたんですけど、とにかくそれから池田君が居残りすることはなくなったんですよ。


それから半年くらいたった頃でした、その日は学校の大掃除とかよく分らない催しが開催され、僕は「どうせ使ったら汚れるんだから掃除しなくてもいいじゃん」をスローガンに掲げ、どうサボってやろうか友人と試行錯誤していたのですが、中谷が、あの中谷の畜生めが僕の行動を監視するという蛮行に打って出たんですよ。これにはもうお手上げでしぶしぶ机を運んでました。

でまあ池田君の机を運んだんですけど、よっこらせっくすとか言いながら持ち上げた訳なんですけど、その瞬間


ザアアアアアア!ボロボロボロボロボロ!


と池田君の机の中から勢い良く出てきたんですよ、大量のグリンピースが。

もうみんな何事かと思いこっちを見るんですよね、別に僕悪くないんですけど、せっかく掃除した教室がカッピカピのグリンピースに凌辱されてますからね、その出現先に僕が居るんですから仕方ないんですけど、中谷なんて顔真っ赤にして睨んでましたよ、「お前はトマトか」なんて思いながらカピカピのグリンピースと新鮮なトマトを交互に見てました。

それからがもう大変、別な場所を掃除していた池田君が至急呼び出され、中谷はトマトみたいな顔して怒鳴り散らかすし、池田君は唇がナスビみたいな色になってるし、グリンピースはカピカピだし、「グリンピースを隠すなんてお前はバカか!」とか絶対死ぬまでに言われないであろうことを言われてましたよ。そりゃそうだ。池田君はバカか。

何回も何回も繰り返しグリンピースを隠していたんでしょうね、みんなの視線に怯えながら、地道にコツコツと。

その日ちょうど国語の授業で「塵も積もれば山となる」ということわざを習ったばっかりだったので、みんなで狂ったように「グリンピースも積もれば山になるんだな」と騒いでおり、僕も池田君に教えてあげたら、池田君泣きそうになってた。

しかしあんな量のグリンピースを見たのは後にも先にもあの時だけだったな。


いいことも悪いことも、積もれば山になるという教訓になりました。

さて、そろそろ積りに積もったレポートをやろうかね。
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