FC2ブログ

それでも街は廻っている

何もやることがなく、ボーっと休日を過ごしている間に他の人は一体何をしているんだろう。そんなことを考えることが良くある。

大学生の頃、当時インターネットも使い方がよく分からず友達も多くなかった僕は休日を持て余すなんてことがざらにあり、人はそんな時に考えなくていいことまで考えてしまう生き物なのだと思う。

「みんな今頃なにしてんのかなぁ」

淋しい訳ではないが独り言が多かったのもこの時期だ。何かしらを疑問に思うとどうしても口に出てしまうような、そんなカルマを僕は背負っていた。

だけど何を想像してもいまいちピンとくるものが出てこず、小さい脳みそをウンウン言わせながら悶々と時間が過ぎていくのをただただ何をするでもなく過ごす毎日だった。

そんな日々を半年も続けた頃、ある一つの仮説を立てた。もしかして僕の知らぬところではみんな何もしていないんじゃないだろうか。むしろ存在そのものが無いのでは?

僕が知らない場所で何かあったなんてニュースで流れていても妙に現実感は湧いてこないし、この世界は全て僕の妄想、思念体で作られた夢の中のような世界なのではないだろうか。然らば他人が何をしているかなんてわからないことにも合点がいく。そりゃそうだ。そんなもの存在していないのだから考えられる訳がない。

僕が目を瞑っている間は、世界なんて存在そのものがありもしない、さながらテレビの深夜放送みたいに僕が合わせているチャンネル以外は全て砂嵐で、なんにも起きていないような気がしてきた。

そう考えるとなんだか気分が軽くなってきた。



だけど現実は実際にそうではなくて、僕が知らないところでみんなはちゃんと何かしらをしているのだ。そのことを知るのはそれからまた半年がたった時だ。



大学生活にも慣れて、アルバイトも始め少しずつ友達もでき始めた頃に僕は全てを知った。

ある飲み会の席で男3人と女3人で飲んでおり、それはまあ平たく言えば合コンをしていた訳なのだけど、もう正直に言ってしまうとチンコサイドもマンコサイドもこれまでに日の光を浴びたことのないような顔面を携えた、前世で何をしたら神はそんな罰(顔面)をお与えになるのかと思うようなやつらばかりであった。

その為合コンは開始前からすでに減速を始め、始まる頃には完全に動きを止めた。動きどころか時間も止まってるんじゃねえの!?と疑う程に物音一つ聞こえない空気であった。

それでもお酒が入ることで時間も動きだし、お互い今回の合コンは諦めたのだということが目に見えてわかるような下ネタも話し始めた。

男の下ネタはロマンがあるが女の下ネタはリアルだ。という言葉の意味を知ったのもこの時だ。女どもは誰も聞いてねえよ!つーか聞きたくもねえよ!というような下ネタをまあベムベラベロと饒舌に話すのだ。

そんな魑魅魍魎の会話の中で経験人数の話が産声を挙げ、瞬く間に話題の中心に胡坐をかいて鎮座ましました。

「ねえねえ!みんな何人とヤッたことあんの!?」

一番右端のとんでもねえブスが恥じらいもなくこのセリフを吐くのを聞いて世も末だと思ったが、他の連中は完全に出来上がっており、このセリフで場はこの上ない程盛り上がり始めた。

「えー!恥ずかしいよーぅ///」

左端に座っていたろくでもねえブスが甘い声で恥らう。「お前じゃねえよ!」と叫びたい気持ちをお酒と一緒に飲み冷静な気持ちを心掛けた。

「う~ん、30人くらいかな~あとは覚えてないや」

真ん中に座っていたどうしようもねえブスが答えた。

マジか!30とかお前マジか!?

「まあだいたいみんなそれくらいだよね~」

またとんでもねえブスがとんでもねえセリフを吐きだし、それに他のブスたちは「うんうん」だの「だよね~♪」だの言い出す始末。

こ、これが世紀末か…僕はこの世の腐敗を嘆きつつも素早く財布を近くに寄せ、いつでも帰れる準備を始めたのだが、困ったことに僕以外のちんこがこの話に乗り出してしまった。

「みんな凄いねえ。僕なんて10人くらいだよ~」

「お前もすごいな。俺はまだ7人だわ」

僕の気持ちを余所にちんこたちは自分が入った穴の数をつらつらと暴露し始めた。いや、つーかちょっと待て、なんでお前らそんなセックスしとんねん。僕まだ一人やぞ。おい。

この時に長年の謎が解けた。

僕が知らないところでみんなは何をしているのか。セックスしているのである。

たぶん僕がブログを更新しているこの時も、みんなはセックスをしてるのだろう。誰も、彼も。
スポンサーサイト



トラックバック


この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

まとめ【それでも街は廻ってい】

何もやることがなく、ボーっと休日を過ごしている間に他の人は一体何をしているんだろう。そんなことを考

コメントの投稿

非公開コメント

Re: こんばんは

はじめまして

いい文章だなんてお褒めに預かり歓喜の極みです。

元彼さんも体験済みだったようですね(笑)
男の下ネタは大半が妄想の話ですけど、女性の下ネタは主に体験談が多い気がしますからその辺の差なのかな、と個人的には思ってます。

男は下半身でものを考えていますからそう言っても差支えないんですよ(笑)


いえいえ、味の方は美味しいか分かりませんが、お粗末さまでした。

こんばんは

はじめまして

凄くいい文章で、小説みたいでした♬

「女の下ネタはエグい」
って、元カレも言ってたな。と感慨に耽っていました。

シュールな話題だけど、
男をち●こに例える所とか面白いなと思いました(*´∀`*)

最後の落ちも、
的確だなと文章の上手さに頭が下がります。

素敵な文章、ご馳走様ですm(_ _)mi-189